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スイスに住む 犬のつれづれ日記

学ぶ

私、先週末にどうやら胃腸炎を起こしたらしく、今も食欲がイマイチ回復していません。ただ、イタズラしたい衝動に駆られることもあるので、そろそろ本調子に戻るのでは、と自己診断しております。

とはいえ、まだ、ちょっとしんどいです。

 

そんな元気ない私のそばで、日曜日、パパは坊ちゃん二人のテスト勉強のお手伝いをしておられました。

 

坊ちゃんたち、スイスのフランス語圏に引っ越して2年少し経ったところ。お二人がお産まれになってから、この4人ご家族は、スイス(ドイツ語圏チューリッヒ)→日本(岡山・直島)→スイス(ドイツ語圏チューリッヒ)→スイス(フランス語圏の片田舎)と、2年〜4年おきに移動し続けてこられたそうです。

 

坊ちゃんたちの言語脳やらメンタル面、グジャグジャになってしまわないかしら?と、ママ、心配されることもあったようですが、幸いお二人ともスムーズに順応していかれたご様子。

 

今では学校の授業、基本的には問題ないそうですが、地理、歴史、科学など、生活の中で習得される知識を前提にしていたり、専門用語が多用される教科になると、どうしても現地の子どもたちとのギャップがあるのは致し方ないないようです。そこで、パパのお手伝いが少し必要に。

ママ、フランス語やスイスの歴史に関しては役に立たないので「パパに聞いて。」といつも逃げてらっしゃいます。特に長男坊ちゃんに「ママは自分のフランス語の発音の心配でもしとけば。」と言い放たれた日から、もう絶対に子供達のフランス語は助けない、と心に誓ったようです。

 

とは言っても、パパへの負担ばかりが大きくなるのも心苦しいので、この週末は、心を入れ替えられたようです。「ママができることもあるかもしれないから、フランス語以外に質問があったら、言ってみて。」と次男坊ちゃんに声をかけられました。

 

次男坊ちゃん、算数の問題で、日本語では聞いたことがない数の単位の変換に関するテストがあるので、本当に理解できているか少し不安、ということでした。それなら、ネットを見れば助けれるかもと早速ママ、検索。

 

すると、出てくる、出てくる。綺麗にまとめられた単位表やら、単位変換の練習問題。YouTubeでも、その項目に関してわかりやすい授業がいくつも。

ママ、正直思いました。・・・これ、学校の授業よりも分かりやすんちゃうか?

 

実は、最近ママ、自分のフランス語学習に関しても同じように感じてしまうことがあるそうです。ママがお気に入りのフランス語学習のポッドキャスト、まさに痒い所に手が届く優れた内容だそうで。これを聞いていた方が、語学学校で習うよりも早く、ピンポイントで学びたかったフレーズが頭に入ってくるらしいです。

 

今の時代、学校に行かずに家に居ながら一人で学ぶことは、割と誰にでもできる。それは、ママと長男坊ちゃんの意見が一致するところです。

 

なら、なぜ坊ちゃん達は学校に通うのか(義務教育であるという理由は一旦置いておいて)。

なぜママはお金払い、通学時間をかけて、わざわざ語学学校に足を運ぶのか。

 

坊ちゃんは言います。「授業はつまんないけど、友達と会うために行きたい。」

ママも言います。「めんどくさいっちゃーめんどくさいけど、人と会って話す機会がないと、発展性がないし、頭が煮詰まってくる。」

 

うーむ、なるほど。知識を得ることのみを「学ぶ」と定義するのであれば、確かに家で一人で学ぶことは十分可能ですが、ある場に足を運び、人と関わりながら一緒に学ぶということには、単なる知識習得とはまた別の意義があるようです。

 

人によっては、煩わしい人間関係や時間調整を取っ払い、優れた講師によるオンライン学習を好む方もいらっしゃるようですし、それは、犬の私から見ても効率的で新しい学習方法として非常に有効であると思います。

 

ただ、坊ちゃんやママにとっては、人と場を共有し、関わり合っていく中でしか得られない他者との共感も、学ぶプロセスの大切な要素になっているのかと思われます。そこには人間関係による負の感情が付きまとうリスクが常にあるのにも関わらず、です。

知識習得だけではなく、経験を通して、マイナス、プラス、いろんな感情の波の中で揉まれながら自分を知っていくこと。きっと、それ自体も、坊ちゃん達のような人間にとっては大切な学びなのでしょう。

 

時には私だって、めんどくさい犬関係、人間関係を全て切り捨てて、一匹で荒野の風に吹かれていたいと思うこと、ございます。

ただ、人間に飼い慣らされた無力な犬の私には、チョイスございません。人間との歴史の中で、野性を削ぎ落とされてしまいましたから。そのくせ、私たちには人間世界の便利さを利用することは学べないのです。

飼い主様から捨てられてしまったら、どうしようもございません。餌をオンラインでホームデリバリー注文する方法は学べませんし、かといって、今更、かつての狩猟本能を思い起こして生き伸びろ、と言われても、無理な話なのです。

 

否が応でも生身の人間に関わり、頼り、彼らに合わせて生きていくこと、それが私の運命です。少なくと私、モカチーノは、人間社会のルールを教えられ、家族の皆さんと気持ちよく共存できることを目指し、日々、犬なりに学んでおります。妙なことに、最近、それが自分の幸せでもあるような気すらしてきております。

 

でも、いつの日かロボットが私のドッグシッターをしてくれる日が来るのかもしれませんね・・・

などと空想で話をまとめようかと思いましたら、やっぱり。

もう存在するみたいですね、ロボットペットシッター

 

本当に次から次へと、人間の皆さんの利便性や効率性への向上心、執着心には驚かされます。その結果、人間のみなさんが、より充実した生活をお送りになられているのなら、大変結構なことでございます。犬の私には、実際のところは分かりかねますが。

 

それにしても私、やっぱりお腹がまだ変。食欲が戻りません。

心配そうに私を見つめてなでなでするママ。たった今、獣医に明日の予約を入れてくれました。

 

さて、ロボットペットシッターも、私を心配して、獣医に予約取ってくれるようになる日が来るのでしょうかね?