なんと意地悪な。
冬休みが終わった今になって、気温がグッと下がり、大雪となっています。きっとシャレーではスキーに最高の雪が降り積もっていることでしょう。
私は、大はしゃぎで近所の森へさんぽに。
そして、また、この通り。
森の中で出会ったおばさんにママ、「あらあら、この子、こんなに雪玉つけちゃって!(とるの)頑張ってね〜!」と励まされていました。
今回はママ、私の希望通り、ぬるま湯ではなく、泡立て器方式を試してくださいました。
「ワォ、こんなに簡単に取れるの!?すごーい!!」を期待していたんですが・・・。
正直ちょっとテンション下がりました。まあ・・・確かに人の手で剥ぎ取るよりは効率良いかな、程度でした。私のくるくる毛質だと、仕方ないのかもしれません。
山ではどれだけふかふかの雪が降り積もっているんだろうと想像すると、雪=スキーという等式がDNAに刻み込まれているパパ、ウズウズしてくるらしく、今週末もシャレーに戻ろうかと考え中のようです。スキーに興味ないママは、一晩泊まるだけでも、映画ナイト機器一式を車に積み込んでいってもらえるのだろうか、と、少し気になっているようです。
そういえば、シャレーでこんなことがありました。
暖炉と繋がったタイルベンチに座りながら、ぬくぬくみんなで映画を観ていた時。
突然、ゴン!ゴンガンガッチャーン!という、ものすごい音がしたその直後に「ゔぉぉぁぁああん!!」という、次男坊ちゃんの、これまたものすごい叫び声が聞こえました。何が起こったのかとみなさん慌てて電気をつけてみましたら、床に砕け散ったガラス瓶が。
どうやら何かの拍子に、スイスおじいちゃんおばあちゃんが暖炉の上に飾っていたワインのデキャンタが、次男坊ちゃんの頭に落ちてきたみたいで・・・。厚みのあるガラスでしたので、坊ちゃん、かなり痛かったのではないかとお察しします。
びっくりしたのと、痛いのとで、大泣きしていた次男坊ちゃんですが、冷静になってきたら
「どうしよう、グランママとグランパパに、ガラス瓶割ったって怒られる・・・。」と今度はそちらの方が怖くなってきたようでして。痛みも忘れてそればかり気にしている様子。
パパとママ、その次男坊ちゃんの姿が可愛いので、面白がって「うん、グランパパにめっちゃ怒られると思う。きっと、殴られるだろうねー・・・って、そんな訳ないやん!それより怪我してないかどうか心配するに決まっとるよ。大丈夫!」と、冗談まじりに答えておられました。
あー、それにしても大人は子供心を判っていませんね。どこまでも素直な次男坊ちゃん。例え冗談だと頭では分かっていても、モノを大事にするスイスのおじいちゃんおばあちゃんの物を壊してしまった以上、やっぱり怒られるのではないか、と、心のどこかでずっと引っ掛かっていたんですよ。
その翌々日、パパがおじいちゃんとおばあちゃんに説明したそうです。何かの拍子にワインデキャンタが次男坊ちゃんの頭に落ちてきて割れて壊れてしまったこと。
すると、なんと怒られるどころか、「割ってくれてよかった!これで要らないものが一つ減ったわ!」と逆に喜ばれたそうです。
次男坊ちゃん、それを聞いて「なんやー!壊して喜ばれたー?マジでー!?」と、顔がぱああ〜っと明るく笑顔に。やっと安心できたようで、私も嬉しくなりました。
ママはその横で、日本のおばあちゃんからも「あー、割れてくれてよかった!このカップ。」というよく似たセリフを何度か聞いたことがあるのを思い出していました。
人からの貰いものだったり、対がなくなってしまったセットものなど、本当は要らないのだけど、自分から捨てるにはどうも気が引けて、どうにかしなければならない課題と分かりつつも、見て見ぬ振りを続けその決断を先送りにし、あわよくば何かの拍子にいっそ自ら消えてくれないかな、などと、意味不明に他力本願のまま持ち続けているもの、ママも結構あるようです。
次男坊ちゃんは今回、そんなモノ事情に悩む人間たちが無意識に待ち望んでいた「何かの拍子」を見事に叶えてくれた救世主だったようです。彼の頭のタンコブと引きかえに。
ちなみにパパ、おじいちゃんとおばあちゃんに、シャレーで私が台所床マットの角を噛みちぎったことも説明されたようですが、それに関しては、ノーコメントのようでした・・・。